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丸尾末広『少女椿』

ウォー、ついにこの作品を……。日本もとい世界を代表する猟奇的エログロの大家、丸尾末広の代表作『少女椿』。大正浪漫志向、怪奇幻想文学的作風、スキャンダラスな描写、と氏の魅力が満載の作品。90年代の頭にアニメ化(音楽がJ・A・シーザーだ!!)もされているが、原作より表現がエグいとのことで上映禁止。ただ現在はYoutubeなどでは観ることができます。

僕がまだ高校生の頃、当時流行っていたmixi(この頃は、本当は18歳以下の人は入会してはいけないことになっていたのですが)の日記で、知り合いの女の子が「眼球舐め」に、なんだかとても関心を寄せていたのですね。眼球舐めとは?? 知らない人は一度検索してみると良いですが、とにかく僕の場合は彼女の日記を読んだ時に初めてそうした行為及びフェティシズムの存在を知った。そしてまた、どうやらこの【「眼球舐め」的なるものの文化圏】の元ネタというか、最も崇められている存在が丸尾末広という漫画家であると。たぶん、「知り合いの女の子が~」というのは、似たようなパターンを経験した人はたくさんいるのではないでしょうか。そういう人いませんでした? むしろあなたがそういう人? 性的な興味心と破滅的な自意識に絡まった青い魂にとって、丸尾末広の絵はいかにも「禁断の扉」(人とは違う!)というか、とにかく刺激的で、すっかりハマってしまう子がいつの時代も一定数いるようだった。

で、ここまでの書き方からすでにわかると思いますが、僕はそうではなかった。開きかけた扉の向こう側を覗いては「Oh……」と息を漏らしてまた閉めてしまったわけですね。なんといってもエグそうだし。その後も勧められる機会が何度かあったけれど……。でも、そういう本があってもいいんじゃないでしょうか? このご時世に、自分にとって未知の領域が残っているなんて嬉しいことではないですか。

関係ない話ばかりですみません。紆余曲折を経てようやく読んだ『少女椿』は、やはり、エグい。期待通りの内容だったし、期待通りであるからこそ、やはり自分はここに何かしらの想いを込めることは難しいのだろうということを再確認した。自分にとって「わからない」ならまだしも「違うな」と思った。だから僕が無理してこの場で賞賛したら嘘になるのでそんなことは言いません。むしろ、僕のような軟派が顔をそむけてしまう作品がちゃんと刊行され続けていることに意義がある。だからこれは僕の趣味趣向にはそぐわないけれど、肯定する。でも、完敗です。

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丸尾地獄

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新装改訂版 少女椿 / 丸尾末広
販売価格(税込): 1,365 円
A5判上製
発行日: 2003/10/24