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福満しげゆき『遠回りまみれの青春のタイプの人』

福満さんの新刊だ~!『僕の小規模な生活』(講談社)『うちの妻ってどうでしょう?』(双葉社)で知られる作者による、青林工藝舎ホームページおよび『アックス』にて交互に発表されたエッセイがまとめられた一冊。青春時代に対する暗い悔恨を、36歳になった今なお引きずり続け、夜な夜な涙を流して苦しむ筆者が、あらためて「青春」に向き合っています。『小規模な生活』『うちの妻~』においても日々の生活・出来事を描いた漫画に混じって福満しげゆきならではの持論(主に社会的または性的格差に対する義憤と、その構造的欠陥を解決する方法論)を展開していることがしばしばありますが、本書はそういった理論を文章でさらに掘り下げた内容となっています。

この中で述べられているのは、「マンガ家としてデビューする方法」「彼女ができる確率を飛躍的に上げる方法」「マンガ制作における自分内完成度は60点がベストなのだ!理論」「“バブル感”を残す世代の、独特の“困った感じ”について」などなど……。端的に言って最高です。どれも同意しますし、非常に面白い! これらの理論は、一朝一夕で培われたようなものでは決してない。身に降り掛かった事件を幾度となく反芻し、発酵させ、脳内でトライ&エラーを繰り返すこと、20年以上。話題は二転三転とあちらこちらへ流れつつも、淀みなく書き綴られた言葉にまず感動。そしてなにより、その剥き出しの猜疑心と嫉妬心にただただ共感を覚える。幸福な家庭を手に入れても、漫画家としてある程度認められても、報われるわけがないんですよ。金髪でおなじみのジャーナリスト・津田大介さんは「中学のとき好きだった女のコから《あの頃わたし、津田くんのこと好きだったんだよ》って告白されないかぎり、俺は一生満たされることはないんですよ!」と発言していましたが、コレはね、我々のようなどうしようもなさを背負った男たち全員に共通する真理だと思いますね。だから、俺は誰がなんと言おうと、そんな業を抱え続け、そして戦い続ける福満しげゆきを信用します。

とにかくいろいろ書いてきましたが、僕が言いたかったのは、もし僕より若い方で、この本を読んでくださって、そして今現在、モテなかったり、将来のこととかで悩んでいる方がいましたら、とにかく、あらゆる手段を講じて、その悩みから脱出する方法を画策し続けてほしいのです。(中略)つらくても、解決するために、どんなにみっともない形になっても「動き続ける」ことが、結果「悩みの解決の一番の近道」でございます。

(本文より)

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遠回りまみれの青春のタイプの人 / 福満しげゆき
販売価格(税込): 1,155 円
B6判並製 220ページ
発行日: 2013/08/31