走るよ 表紙-L

藤枝奈己絵『走るよ日記 淀川編』

 『アックス』(青林工藝社)で『混乱日記』を連載する藤枝奈己絵による4コマエッセイ漫画。自身のブログ『赤子よ日記』上で2010年頃に発表された作品をまとめたものです。琵琶湖から京都を通り大阪湾まで流れる日本でも有数の大河川、淀川。そのすぐ側に実家があるという作者は、「マンガが思いつかなくなってやりたい事もよくわからなく」なったときには、淀川のほとりをランニングするとのこと。そこで見た動物や人間だったり、家族との出来事を、長閑なタッチで描いています。川沿いは、いたって普通の地域でも、何故だかビックリするようなものに遭遇することが多い。僕は多摩川沿いにある高校に通っていたのですが、授業のあとに川縁でぼうっとしてることもあったし、マラソン大会のときには、実際に沿道をランニングしたことがあります。川のそばって、大きな量の水が、大きな時間をかけて流れていくからか、物事の遠近感がボヤけていくんですよね。そして川辺は、色々な生き物が集まる場所。動物、虫。散歩をする人、走る人。釣りをする人、楽器やスポーツの練習をする人。何をしているのだかわからない人。あるいは、テントを建てて住んでいる人。そこには、緩やかだけど、確かなコミュニティが存在しているのです。

 おまけマンガ『実家のはなし』は作者のおばあちゃんを中心に家族(お父さんだけ人間の姿で、祖母・母・娘の三人は擬人化した猫の姿で描かれている)の日常を描いた作品。おばあちゃんがたくましくて、かわいらしい。

 とてもほのぼのとした作品なので、ゆったりとした空気感が好きな方は是非。ところで、この漫画を読んで初めて知ったのですが、関西の方ではお坊さんのことをお寺さんと呼ぶのですね。

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赤子よ日記

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「走るよ日記 淀川編」 / 藤枝奈己絵
販売価格(税込): 400 円
A5判 44ページ
発行日: 2013/07