サメ叩きカバー

斎藤裕之介『サメ叩き』

私が思うポイントを3つ挙げたいと思います。

はじめに;労働という価値観に対して悪態を取ろう!
「サメ叩き」「カニ抜き」「猫逃がし」「カメ切り」そして「穴掘り」。これらは、一応は単純作業を繰り返すだけのアルバイトということなのだが、一見してどういった内容の仕事なのかわからないだろうし、やってみたところでどんな意味があるのかはわからないし、実のところやはり意味はない仕事なのだろうし、そもそもそんなことをあれこれ考えることにも意味はないし、ばかばかしいことでもあって、あァー本当にばかばかしい仕事だけどそれなりに責任を持ってやっていたりするし、良かったなと感じるようなこともないわけでもなく、とはいえ、端的に言って、ばかばかしいことに対して苛立ちを覚えることはある。

次に;機能的なエロはクソだ。
ユーモアがないからである。至極当然なことを言えば、エロとはプリミティヴなものだ。洗練されたものは、二次的なものでしかない。下ネタはダイナミクスが全てだ。正直さが肝要だ。その言葉はゴシック体で力強く綴られるべきだし、できるだけ大きく描かれるべきであり、全裸で疾走する裸婦は必要だし、ここぞというところで勃起するのはアタリマエである。“異化作用”という概念を導入したロシアフォルマリズムは偉大だと思う。この世界には「デカければデカいほど笑える」という価値観があるということ。

最後に;一生どうにもならないことは往々にしてある。諦めよう。
『永久ロック』『捕まっちゃった』といった作品では、人々はあるがままの残酷な運命を受け入れます。それはほんのきまぐれのように起こる、たったの一瞬でこれまで積み上げてきたものを台無しにしてしまうような、暴力です。この世界には悲しいことだけれど、悲しくなるだけなので、あえて抵抗しない人々がいます。

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サメ叩き / 齋藤裕之介
販売価格(税込): 1,155 円
A5判並製 191ページ
発行日: 2009/10/31