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ZAWA FREAKBEAT 『Private World volume5』

山のようなパンクロックとパワーポップのレコードコレクションとともに、アパートに引っ越してきた三十路男、長野。同じアパートの住人である佐々倉雪子、斉藤と音楽という共通の趣味を通じて交流を深め、三人でバンドを始めることとなった。誰ひとりとしてバンドの経験はないけれど、「やってみたかったからやる」。今巻では、交流を深める三人の姿が描かれています。週末には集まって食事をしたり、ライブを観に行ったり……で、何より初めてのスタジオ練習! 初セッション! 最初の練習曲は、パンクファンのみならずともロックファンにもおなじみの名曲中の名曲です。

練習スタジオに初めて行くときの、あの緊張感が描かれていてよかったですね。僕も中学だか高校のときに貸しスタジオで初めて練習したときはおののいたものです。家でジャカジャカやるのとは違って、アンプから音を出さないといけないわけですが、種類だとかツマミだとか何にもわからないですから。立って弾いてみるとうまく弾けないというのもあるある。主人公の長野も初めて生のドラムセットに触ったことで、感激する一方で周囲が気になって緊張してしまい、身体がうまく動かなくなってしまいます。それを見かねた雪子はある曲のイントロをギターで鳴らしはじめて……。それにしても、『けいおん!』でもそうだったけれどボーカルを誰がやるか決めないまま練習し続けるというのは、よくあることなのだろうか。

こうして書くとあらためて、みずみずしい青春音楽モノの王道だなあと思いつつ、だけど、主人公はオッサンなんですよね。今巻で長野は何度も感傷的になり、ジーンとなっている姿が見受けられますが、そのような感慨というものは、若者が主人公の作品ではなかなか滲み出てこないものなのではないかなと思います。長い間、バンドという存在に憧れてきた人間だからこそ、持ちえる気持ち。それを傍から眺めているのは、なんだかいじらしい気持ちになりますね。

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Lostwomen

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「Private World (5)」 / ザワ・フリークビート
販売価格(税込): 350 円
A5判 68ページ
発行日: 2012/09