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Interview 箱庭の室内楽3

いずこねこ、泉まくら、ゆるめるモ!、lyrical schoolをはじめ、近年、アイドルへの楽曲提供・コラボレーションに引く手あまたの、ハシダカズマ率いる箱庭の室内楽が、2014年07月02日にミニアルバム「Friends」をリリースする。

ハシダとは、十年来のバンド仲間でもある甘茶茂がインタビューを敢行。ギタリスト・上野翔も交え、全収録曲について語ってもらった。(第3回)
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箱庭の室内楽ミニアルバム『Friends』 特設サイトはこちら

取材・文・写真: 甘茶茂

3

甘茶
さて、次は『ell berly』。インスト曲ですね。
ハシダ
これは箱庭の室内楽史上初の僕作曲じゃない曲。上野君作。
甘茶
今作は「史上最大10人編成」「史上初打ち込みトラック」につづき、初めて尽くしですね。
上野
僕は個人的に即興演奏をやっているんですけど、ハシダさんから「ミニアルバムで一曲やってみてもおもしろいんじゃないか」と提案されて。きっとハシダさんは、ドバーッとしたノイズ音楽をイメージしていたんだと思いますが、今回は、『bell lyre』のメロをハーモニクスで弾いたオマージュ曲に仕上げました。それで、曲名が『bell lyre』のアナグラムになっているんです。
甘茶
カバー曲でもなしに、自分以外のメムバー曲も収録するというのも、なかなか「専制君主制」なパブリックイメージからは予想外だと思います(笑)。
ハシダ
いやいや、何言ってるの(笑)。箱庭の室内楽は、民主的なバンドですからね!いい曲ならどんどん作ってきて、ウェルカムって思ってます。ビートルズで言えば、『Something』や『Taxman』を待っています!
甘茶
全然関係ないんですけど、ビートルズならどの曲カバーしたいですか?
ハシダ
『Hey Bulldog』(『イエロー・サブマリン』収録)を五拍子にアレンジしたらかっこいいんじゃないかと思っています、かねがね。
甘茶
さて、ラストは『birthday’s eve』です。これは、クイーンのパロディですか?
(クイーンのアルバム「シアー・ハート・アタック」に、『Sheer Heart Attack』という曲は入っていないが、なぜか3枚後の『世界に捧ぐ』に入っている)
ハシダ
いや、墓を建てた感じですかね。実はバンドアレンジも存在しているんですが、あえて弾き語りでやっているのもそういう意図。
甘茶
ああ、なるほど。前作リリース時のインタビューで、タイトルは「誕生前夜」的な意味合いで、「俺たちの戦いはこれからだ」的なことを込めたものの、メムバーチェンジで頓挫したわけで。

ハシダカズマ

ハシダ
そう、結局前夜祭で終わっちゃったので、そういう意味でも、次を見据えてきちんと終わらせておく必要があるかなと。
と、よく考えたら同じメムバーで音源2枚作っていない!(笑)
甘茶
ジェフ・ベックよりひどい。(ジェフ・ベックは、同じメムバーで2枚しかアルバムを作らないことで有名)
ただ、今のバンドは、みんな演奏家としてすばらしいということで、きちんと報・連・相さえできれば、次の音源も大丈夫そうですね(笑)。
ハシダ
そうですね。アイドル運営を見習って、僕もバンド運営をがんばらないと。DIYですからね。
上野
アイドルへの曲提供も含めて、ハシダさんは今、勢いに乗っている感じがするので。だからこそ、体調大丈夫なのかな?と心配になります(笑)。
ハシダ
全然大丈夫。「一日一食」健康法の本を出そうと思っているレベル。
上野
まあ、それで実際、健康診断バッチリらしいですしね。
ハシダ
酒を飲んでいるのがいいのかも(笑)。
上野
こうして箱庭の室内楽に加入して、いろいろな経験ができていて楽しいですし、ハシダさんが「こんなことあるんだけど」という新しい話を持ってくるたび、それに乗っていきたいと思っているので、健康には留意してください。お酒も飲み過ぎないように(笑)。
甘茶
そんな上野さんは Sasakino Records 主宰者としても多忙のようですが、箱庭の室内楽以外の活動で言っておきたいことあれば、ぜひ。
上野
ただいま、OK?NO!! と毛玉の新作レコーディング中です。
ハシダ
上野君は、最近、ラップが話題とのことですが(笑)。

ハシダカズマ

上野
(笑)。 Pa’s Lam System というユニットが、MaltineRecods の「東京」というイベントに出演したのですが、そこに僕が客演したんですよね。その様子が動画でネット上にアップされて……。
ハシダ
荒ぶる上野翔」ね。
甘茶
原曲はそんなに荒ぶっていないフロウでしたが、アッパーな雰囲気だったんでしょうね。
それから今回、ジャケットのイラストレーションを担当した Ubu Takahashi さんは、上野さん所属の毛玉のMV『もしも口笛が吹けたなら』がきっかけとのことですが、そもそも上野さんと毛玉の出会いは?
上野
黒澤勇人さん(毛玉の Vo & ギター)と、Ubu Takahashi さんは、もともと一緒に音楽活動していたんです。それを好きで観に行っていた縁で、僕も毛玉に加入しました。
甘茶
しかも、Ubu Takahashi さんは、本田さん(本田琢也: Ba)の中学の後輩だったとか。世間は狭いですね。
さて、最後になりますが、今回のミニアルバムの聴きどころをそれぞれどうぞ。
ハシダ
10人編成のバンドサウンド、打ち込み、上野君作品、弾き語りなど、形態こそバラバラではあるけど、一曲一曲歌も演奏も満足いくクオリティに仕上がって、かつ、全体的にポップにまとまったかなという自負はあります。
上野
そうですね。本当にいろいろな音源がパックされているのに、同じ方向性で、質感も含めて一枚としてのトータル感があると思っています。
ハシダ
特にサポートメムバーのみんなの力が大きくて、大人数の音のかたまりがちゃんと音源として機能しているかたちになっている。そういう意味でも「Friends」というタイトルはハマっていると思います。愛とか友情を感じますね(笑)。
甘茶
「友だちいない感」があった昔とはだいぶ心境の変化が(笑)。
ハシダ
僕が忙しい時でも、余裕がないところを投げても、それを周囲がしっかり受け止めて返してくれるという信頼を抱けるようになった、そんな自分自身の成長もあるのかもしれない。
甘茶
傍から見ても、今の箱庭の室内楽、良い状態だと思いますよ。いつのまにか僕ら世代もおっさんになって、箱庭の室内楽の音楽を聴いて育ってきた若者たちからハシダさんがリスペクトされる存在になったのもあるでしょうね。
ハシダ
おっさんばっかりじゃなくなって、血の入れ替えができたのも良かった。根田君(根田義市: Key)なんて、若干21歳で、しかも、SCREAMING MALDINI の来日公演のオープニングアクトが人生2回目のライヴだったという変わり種ですから(笑)。
上野
まだ満員のお客様の前でしか演奏したことがないという、恵まれた男です(笑)。
ハシダ
というわけで、今回の「Friends」の勢いは、次のフルアルバムを見据えての途中経過ですから、ご期待ください。ちなみにその次回作の曲はほぼ出揃っていて、今年中にはリリースしたいと思っています!
甘茶
頼もしい一言!(了)

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