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Interview 箱庭の室内楽2

いずこねこ、泉まくら、ゆるめるモ!、lyrical schoolをはじめ、近年、アイドルへの楽曲提供・コラボレーションに引く手あまたの、ハシダカズマ率いる箱庭の室内楽が、2014年07月02日にミニアルバム「Friends」をリリースする。

ハシダとは、十年来のバンド仲間でもある甘茶茂がインタビューを敢行。ギタリスト・上野翔も交え、全収録曲について語ってもらった。(第2回)
第1回はこちら
第3回はこちら
箱庭の室内楽ミニアルバム『Friends』 特設サイトはこちら

取材・文・写真: 甘茶茂

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甘茶
というわけで、そのバンドの良い状態がわかりやすくパッケージされているのが、3曲目『ALL (summer version)』ですね。前作「birthday’s eve」収録の『ALL (winter version)』から、ガラッと印象が変わりましたから、否が応でも。
ハシダ
winter version 聴いたことない人にとっては、現在の箱庭の室内楽を象徴する曲に感じられるかもしれません。ちなみに、この『ALL』は、仮タイトルは「451」だったんですが、つまり、相当古い曲ってことで、何年前ってレベルの曲なんですが、うまく進化できたんじゃないかなと。
甘茶
たしかに、りんご音楽祭2013で、この「summer version」のベースはできあがっていますが、さらに変化しています。
ハシダ
さっきの「譜面通りじゃなくなっている」話の通り、イントロの三管のアレンジ、高橋三太くん(tp)に完全にお任せで、僕はタッチしていないですからね。あとは、みどりちゃんのパーカスもいいですよね。マーティー(松本暁雄: dr)のリズムが締まる。
甘茶
『winter version』は陰鬱な表情を見せるアレンジでしたが、『summer version』は明るい印象ですよね。りんご音楽祭2013の映像見ても、楽しそうに演奏しているので、特に女性陣がかわいく見えるという(笑)。
ハシダ
音楽的に言えば、リズムがはねているから、っていうのが大きいかもしれないですね。気分的には、『No Woman No Cry』。これまた野外が似合うようになったというか。
上野
この曲も、ギター弾くの気持ちいいんですよね。最後やりたいほうだいですし。リズムを無視してバーン!みたいな。

ハシダカズマ

ハシダ
その分、レコーディングでは、上野君のギターを重ねるの、その部分苦労していたね、合わせるの。
甘茶
あっ、クリック(メトロノームのような曲のリズムのガイド)使っていないってことですか。
ハシダ
そう。南池袋ミュージック・オルグでドラム・ベース・キーボードを一度に録音して、その後、上物をダビングって流れ。やっぱり人間が生でやっているリズムのほうが、ブレたりするのも含めて面白いと思っているんですよね。
上野
今回、ギターはマイク撮り。真夜中にベーストラック録音から始めて、そこから順番にダビングしていって、最終的に一晩かかって完成に至りました。
ハシダ
メムバーみんな演奏力高いからこそできる強行スケジュールでしたね。
甘茶
結果、名演になりましたね。続いて、四曲目『walden』は、打ち込みトラックと、緩急をつけたアルバム構成。
ハシダ
曲名は、ヘンリー・デイヴィッド・ソロー『ウォールデン:森の生活』から。アメリカの作家で森の中に丸太小屋を建てて、自給自足の生活を2年2ヶ月送りながら、つらつら綴った日記なんですが、一般的には上下巻とすごく長くて何が何だかわからないものと思われてて(笑)。で、このちょっとストレンジな曲に詞をつけてみたら、森っぽい歌詞が浮かんだんです。それで、「これは森の生活ぽい。これは『walden』しかないな」と命名。最近の歌詞のテーマは森か宇宙って感じですね。
甘茶
なるほど。そういえば『bell lyre』も、「瞬く夜空」とか宇宙ぽいなと思いましたよ。それでいて、「僕が踊るのを照らしてよ」と、フロアアンセムとして機能しそうな「自分ごと」感があります。
ハシダ
やっぱり音楽は踊れないと、と思ってますから。とはいえ、四つ打ちじゃないと踊れないわけじゃないでしょう。箱庭の室内楽の曲は変拍子って言われているけれども、そこは外していないはず。

上野

上野
ただ、演奏するのは難しいんですよね(笑)。そういえば、ハシダさんと僕でいずこねこのバックやった時もそうでした。
ハシダ
ああ、その時は上野君にはベース弾いてもらったんですが、上野君じゃなきゃできないくらい、曲がめちゃくちゃ難しくて。ポリリズムだらけだし。
上野
もともと打ち込みだから、ベース生演奏だと音域も足りないし。仕方ないのでドロップDにして乗り切りました(ベースのチューニングを下げて、最低音をE2からD2に下げること)。
ハシダ
そうそう、アイドル曲かと思ったらプログレだったという(笑)。それなのにお客さんも完璧に合いの手入れてくるわけ(笑)。その合いの手も、演奏者側からすると裏拍で入ってくるから、聴いてしまうと拍子がこんがらがるという罠(笑)。
甘茶
2013年11月4日の東京キネマ倶楽部でのライヴですね。ブログに「こんな大勢の前で演奏したの初めて」と書いていました。長いバンド経験でも、やはり新鮮でしたか?
ハシダ
単純に楽しいんだけど、客の歓声に本気でビビってミスしまくりました(笑)。それをまっとうに受けて、笑って踊っていられるアイドルってやっぱりすごいんだなと思った次第です。僕も今やイベントで「人気アイドルの共演」とか書かれたりしているので、アイドルとしての自覚を持ってがんばっていこうと思います(笑)。実際、「箱めるモ!」は、「T-Palette Records(タワーレコードが発信するアイドル専門レーベル)」初の男性作品ですし。
甘茶
そういえば、この「森の生活」っていうのもそうだし、さっきの「野外での演奏が似合うようになってきた」というのも、これまでの箱庭の室内楽の「室内」感というか、ひきこもり感から脱してきたムードありますよね。
ハシダ
都会の部屋から山に出てきた感ね。中二病が治ったのか、いずこねこをはじめとしたアイドルたちに引っ張り出されて脱ひきこもりしたというか(笑)。

3へ続く

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